眠るシロクマ

ポッドキャストを3年半やった

私が長く聴いているポッドキャストのひとつに、ソフトウェアエンジニアの宮川達彦さんがやっている「Rebuild」がある。fragment のだいたいのフォーマットは、Rebuild からの拝借だ。Rebuild も、かつて Tumblr のリードだったエンジニアで、Read It Later と並んで「あとで読む」サービスで有名な Instapaper も手がけたマルコ・アーメントのポッドキャスト「Accidencial Tech Podcast(通称ATP)」からインスピレーションを得たのかな?と勝手に思っている。宮川さんのセットアップはここで読める

なんでポッドキャストやってるの?

息抜き。趣味。個人ではじめて、いつか更新が止まるレンタルブログと同じ。

なんとなくラジオやポッドキャストが好きで、当時 Echo や Google Home が盛り上がってきていて「そういえばポッドキャストあるね」くらいの気持ちで。

やってよかったこと

個人の自由研究みたいなもので、自由と息抜きを感じられるのは、いいことだと思う。何にも縛られず、何にも欲しがられず、ただやってるだけ。

あと、だれかと話す口実になるのもいい。「ポッドキャストの収録をするから」といえばなんとなく。

配信したエピソード数は57。おまけを含めると63になる。1エピソードは短くて30分、長ければ2時間以上。ざっくり平均で1エピソードあたり1時間30分くらいだと思う。総再生開始数は約1万3000回。いわゆる宣伝をせず、告知もエピソードを配信したときのツイートだけ。エピソードのタイトルも意味のない英文にしている日本語ポッドキャストでも、3年もやれば1万3000回はカウンターが回ることがわかった。ただ、フィードを登録したあとの自動ダウンロードが、ここでいう再生開始数にカウントされている可能性もある。詳しくは知らない。だが、私と知り合いの、ただのおしゃべりを毎回、数百人が聴いていると思うと、ホール会場で話してるくらいの規模にはなってるんだなぁとうれしい。Apple Podcast ではカテゴリのセレクションにまとめられることもあった。

配信環境

レンタルサーバーを借りて、WordPress で配信環境を運用している。まず「Seriously Simple Podcasting」をインストール。これはフィードと各エピソードごとのページの生成をやってくれるプラグイン。上に書いた総再生開始数は、このプラグインのスタッツから出している。WordPress の記事編集の画面に Show Note などを書いて、録音したオーディオをアップロードして、公開すれば完了。コードが書けない人でも簡単にポッドキャストを配信できる。ただし、過去のバージョンでフィードが壊れて配信できなくなったことがあったり、通常の手順ではアップロード時に望まないプラットフォームへの配信に誘導されたりすることがあったりと、若干の心配はある。ポッドキャストのフィード生成くらい自分でできるよって方にはおすすめしない。

Spotify と SoundCloud

配信をはじめた2017年当時、Spotify にポッドキャストを配信するには、手動での登録が必要だった。その登録の際に食わせるフィード形式に Seriously Simple Podcasting が吐くフィードは対応していなかったため、音源を別途 SoundCloud にアップロードし、SoundCloud が吐くフィードを Spotify に食わせていた。2020年現在、Spotify も自動でフィードを読んでくれるようになったので、SoundCloud を介したこの方法は必要なくなっている。Spotify のアナリティクスは見られないことになるが、数字はどうでもいいと思っているので問題ない。SoundCloudに課金していた分が節約できてよかった。

ライブ配信

オーディオを生配信できる Mixlr と YouTube でやってみたことがある。Mixlr は 1 週間に 3 時間までの制限つきだが、有料だった気がする。ライブ配信自体はよかったのだけど、収録中におしゃべり以外のことに気をつかうのが煩わしかったのですぐにやめた。コメントをもらえるのはうれしいので、需要があればまたやってもいいかも。

収録方法

以前はゲストと対面で、コロナ以降はリモート収録をしている。

事前準備

ゲストへの声かけと日時の調整。はじめてのゲストの方には番組の説明もする。オーディオやテックに明るくなさそうなゲストには、そのあたりのケアもする。収録用にマイクを送ったりもしたいが、住所を聞く必要があるのとセットアップの必要があると、それがどれだけ簡単であってもゲストへの心理的な負担になってしまうので、それは今後の課題。

いちおう、事前に話すネタが出せるように、Dropbox Paper を共有する。1/3くらいのゲストはそれぞれにネタを用意してきてくれる。2/3くらいのゲストはほとんど何も書かない。それでいい。

収録時

(もうやらないかもしれないが)対面の場合、会社の会議室やレンタルスペース、お互いの自宅などで録音する。当然なるべく静かな場所が望ましい。高望みすれば収録ブースが望ましいが、現実的にはそこそこの会議室でも十分ノイズ対策になる。

機材は MacBook Pro と小型のオーディオインターフェース(Focusrite 2i2 2nd gen)、マイク2本と卓上スタンド、XLRケーブル2本、モニタ用の有線イヤホンを使う。録音は Logic Pro。

マイクはホストとゲストの使うものを揃えられると音質も揃い聴きやすくなる。ノイズ対策ができればコンデンサーマイクでもいいが、あらゆる状況でも運用できることを視野に入れて、ダイナミックマイクを複数本揃えておくことを選んだ。ちなみに私は Focusrite のマイク入力が 4 系統あるインターフェースとオーディオテクニカのマイク AT2005USB を 3 本用意してある。AT2005USB は、USB と XLR 両方に対応したダイナミックマイクで、オーディオインターフェースのないゲストが使うときのことを考えて選んだ。が、その機会はいまのところ一度もない。

収録をはじめたら、なんとなく話題が途切れないように話を振る。自分からどんどん話すゲストもいれば、こちらから引き出してあげるほうが相性がいいゲストもいる。が、こう書くほど意識しているわけでもない。だいたい何かしら話すネタはあるので、自然と会話になる。事前に Show Note もあるので問題ない。

リモートの場合は、通話と録音をまとめてできるWebツール「Cleanfeed」を使っている。通話に参加したオーディオをマルチトラックでダウンロードできるため、編集しやすくなる。飾らない簡素な UI も印象がいい。

ちなみに、ゲストへ送るオーディオにノイズリダクションしたり、ライブ配信のときに便利なのが「Audio Hijack」というアプリ。オーディオのルーティンをソフトウェアであれこれ変えたり、プラグイン挿したりできる。

編集

マルチトラックのオーディオを Logic Pro で編集する。とは言っても、気楽にやることが目的なので、細かいカット編集はしない。途中で離席があった場合の空白を除けば、スタートポイントと締めのフェードを書くだけにしている。

Channel EQ でローカット、Gain でレベルを合わせと片方だけ位相を変える。DeEsser 2、Compressor はそのときの気分で。Loudness Meter で LUFS Meter が見られるので、だいたいで揃える。あとは耳。それから Acon Digital の DeNoise を Stereo Out に差す。ノイズ差がひどいときだけチャンネルごとに差して調節する。DeNoise 以外はすべて Logic の同梱プラグイン。

Logic からは wav で書き出しておき、Overcast 製のアプリ「Forecast」を使って、MP3 へのエンコードとアートワーク、チャプターの埋め込みをする。

配信・公開

書き出した MP3 をアップロード。ユニークなエピソードタイトルをつけて、Show Note を添えて配信する。Apple Podcast と Spotify のリンクを添えてツイートで新規エピソードを告知する。以上。

今後

運営の足しになるように、少額の課金などが機能するといいなぁとは思うものの、この規模のポッドキャストでは難しいのではないかと考えている。なにより、ゲストへのお礼は機会があるときの食事だけになってしまっているので、そこだけでもリスナーの方から協力してもらえるとステキだなとは思っています。

あと、聴いてくださっている方がいるのは、少なくとも数字ではわかっているものの、コメントをいただく機会がないのが残念。聴いてる方がどんな風に思ってるのか知りたい。

もう少し欲を出せとも言われるのだけど、インフルエンサーになりたいわけではないので、これからも個人のお庭の感覚でやろうと思います。

編集者 / Podcaster at fragment / formerly EIC Gizmodo JP

Get the Medium app

A button that says 'Download on the App Store', and if clicked it will lead you to the iOS App store
A button that says 'Get it on, Google Play', and if clicked it will lead you to the Google Play store