長い目のもつ厚み

Kota Suzuki
Jul 13, 2021

世界でもっとも成功した企業の流通戦略は、20年以上の厚みあるものだった。そして、それをひと繋ぎに書く長い目もまた厚く、貴重なものだ。

Nobiこと林信行さんがアップルの流通改革について雑誌『広告』に寄稿した文章が2021年7月13日昼12:00までnoteに全文無料で公開されている。

ティム・クックがオペレーションで出した成果がアップルを支えていることは有名だ。しかしその背景や業界構造までもが理解でき、20年に渡るアップルの成功がめざす21世紀のサプライチェーンまでをひと繋ぎに書き起こされていることに圧倒された。わたし以外にもいい経験になると思い、ツイートしようとしたが、即座にうまい言葉がみつからず、拍手の絵文字を並べるだけになってしまった(Nobiさんはそのツイートをモーメントに取り入れてくれた。今度は🙏🙏🙏こうするしかない)。

資料をまとめれば書けるといった類のものではない。長くアップルをみてきたNobiさんだからこそ書けた文章ではないだろうか。長い目をもったNobiさんだからこそ書けた文章ではないだろうか。

いつかのWWDC取材のサンノゼの夜、Nobiさんと2人で食事に出かけたことがある。Nobiさんがメディアの仕事をするようになったときのこと、所属するメディアやアップル取材でのことを話してくれた記憶がある。もちろん集中して聞いていたが、私の記憶力ではいまこの日に残せなかった。レコーダーを回すなりメモを残していたらとても貴重な記録になっただろうが、それは野暮。

長い眼差しの、片鱗が垣間見られる文章だった。

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Kota Suzuki

編集者 / Editorial Designer / Podcaster at fragment